構築の並び
構築作成経緯
少なくともレギュEまでは強いポケモンのパワーを押し付ける構築が最強だった(と私は考えている)ことから、とりあえず構築の全体をパワーの高いポケモンで固めることをコンセプトに構築を組み始めた。
まず、相手のカイリュー(特に鋼スケショ)を安定して切り返す方法を考えた。
結果、残数不利を取らずにカイリューのテラスを誘発できる駒としてブエナ甘えるハバタクカミ、(鋼)テラス後のカイリューを刈り取る駒として連撃ウーラオスおよび赤オーガポンを採用することにした。
連撃ウーラオスは2匹以上のポケモンからの攻撃・テラスしていないカイリュー・ゴツメに対して多少抗えそうなオボンビルド型、赤オーガポンは多くのパオカミウーラに対して行動保障があり相手の積み技を牽制できるHBアンコール型でそれぞれ採用した。
次に、初手に投げられやすい相手のステロ撒き≒地面枠への対策を考えた。
そのようなポケモンに対してはこちらも弱点を突けるウーラorオーガなどを合わせて初手のダメージレースで有利を取りたいが、これはカイリューへの対処のためにウーラorオーガは裏から投げたいという先程の考え方に反している。
そのため、この2匹以外で相手のステロ撒き≒地面枠に強く、かつ多くの相手に初手投げしやすい駒として渦アンコ電磁波羽カイリューを採用した。
(裏のカミウーラの並びはステルスロックを撒かれても性能がほとんど落ちないので、相手にステルスロックを撒かれても良いからそれ以上のアドバンテージを初手で取りたいという考え)
そして、できれば欲しい地面枠(ボルチェン、電磁波の一貫切り)の条件を満たすだけでなく、瞬間火力+先制技による強力な対面駒および崩し駒の役割を果たすことができる普テラスチョッキガチグマ赫月を採用した。
最後に、この時点で若干不安な受けループとママンボウ+高火力アタッカーの構築に対して抗えそうな補完枠として電気テラスパワフルハーブエレクトロビーム持久力ブリジュラスを採用した。
ここまでの並びを固定してランクマに潜っていたが、最終日近辺に技構成を多少変更して構築が完成した。
採用順
→→→→→
使用ポケモン
①ガチグマ(アカツキ)
性格:ひかえめ 特性:しんがん 持ち物:とつげきチョッキ
テラスタイプ:ノーマル
実数値(努力値):213(196) -*(-) -141(4) -198(196+) -86(4) -86(108)
技構成:だいちのちから ブラッドムーン ハイパーボイス しんくうは
H:余り
C:11n
S:無振65族抜き⇒麻痺最速105族/準速120族と同速
ガチグマ超えてギチグマ超えてグチグマ超えてゲチグマ超えてゴチグマ~。
圧倒的なパワーで確実に1体は持っていく破壊神。
赤オーガポンと絡めることで崩しを行ったり、岩石封じや電磁波で相手の素早さを落としてから上からガチグマを通したりなど、超火力を活かした対面性能および崩し性能が最強だった。
②カイリュー
性格:ずぶとい 特性:マルチスケイル 持ち物:たべのこし
テラスタイプ:フェアリー
実数値(努力値):197(244) -*(-) -144(124+) -121(4) -135(116) -103(20)
技構成:ほのおのうず でんじは アンコール はねやすめ
HB:陽気A252パオジアンの氷柱落とし3発を残飯回復込みで96.6%で耐え
HD:控えめC252ガチグマ赫月のブラッドムーン2発を残飯回復込みで94.5%で耐え
S:準速50族/無振82族抜き⇒麻痺最速135族/[ス]準速85族抜き
弱い者だけでなく強い者も虐める最強ポケモン。
弱いポケモンの蜻蛉返りをマルスケ+残飯で拒否しながら渦アンコ羽で嵌めて、強いポケモンも電磁波からの渦アンコ羽で嵌める。
環境に存在する"パワーの低いポケモンによるタイプ受け有限サイクル+ハバタクカミ"のような並びは誰もこのカイリューを突破できないため、それらに対してイージーウィンを量産した。
また、レギュFで新たに追加されたブリジュラスは型が非常に多く対処が難しいポケモンであるが、このカイリューは多くのブリジュラスを対面から電磁波→渦アンコによって処理できるのが非常に強かった。
③ハバタクカミ
性格:おくびょう 特性:こだいかっせい 持ち物:ブーストエナジー
テラスタイプ:みず
実数値(努力値):135(36) -*(-) -101(204) -156(4) -157(12) -205(252)
技構成:たたりめ ムーンフォース でんじは あまえる
HB:陽気A252カイリューのA-1鋼テラスアイアンヘッドを確定耐え
HD:控えめC252ガチグマ赫月のブラッドムーン+真空波を確定耐え
S:最速(ブエナS上昇まで考慮したS実数値は307)
電磁波ばらまきの神。
相手のカイリューに対して、(鋼)テラスを誘発しつつ倒されないポケモンを考えた結果、このポケモンしか思い浮かばなかったので採用した。
元々はシャドボムンフォ甘える痛み分けで使っていたが、相手のブエナ瞑想カミに起点にされることと火力不足(レギュFで硬いポケモンが増えたため)が気になったので、痛み分けシャドボを切って電磁波祟り目を採用した。
テラスタイプはパオウーラに強い水と電磁波を拒否できる電気で散々悩んでいたが、実際に使っていて水テラスのおかげで勝ちに繋がった試合が多かったので水で使っていた。
④ウーラオス(れんげきのかた)
性格:いじっぱり 特性:ふかしのこぶし 持ち物:オボンのみ
テラスタイプ:みず
実数値(努力値):199(188) -198(236+) -128(60) -*(-) -81(4) -120(20)
技構成:ドレインパンチ すいりゅうれんだ アクアジェット つるぎのまい(←ビルドアップ)
A:ほぼ特化
HB:意地A252連撃ウーラオスのA+4水テラスパンチグローブ水流連打をオボン回復込みで13/16で耐え
S:準速67族抜き(ミラー意識)⇒[ス]準速92族抜き⇒最速142族/[ス]準速90族抜き
最強の熊。
オボン+ビルドアップ+ドレインパンチで採用することで、相手のカミウーラや物理2枚による集中攻撃に耐性をつけることができ、非常に使用感が良かった。
積み技を主体とする大体の連撃ウーラオスは数的有利を取ってから展開しないと押し切られて苦しい展開になることが多いが、この型には数的同数や数的不利からでも捲っていける力があった。
ミラー意識でメジャーなオボンビルド型の調整よりもほんの少し物理耐久と素早さを伸ばしたが、これのおかげでほぼすべてのミラーで勝てたので、この判断は正解だった。
最終日近辺に相手のカミへの縛り性能を上げるためにビルドを剣舞に変更した。
後投げされたドヒドイデをA+2水テラス水流連打2回で倒せてすごかった。
⑤オーガポン(かまどのめん)
性格:わんぱく 特性:かたやぶり→おもかげやどし(A↑) 持ち物:かまどのめん
テラスタイプ:ほのお
実数値(努力値):185(236) -140 -144(212+) -*(-) -116 -138(60)
技構成:パワーウィップ(←ウッドホーン) ツタこんぼう がんせきふうじ アンコール
HB:陽気A252連撃ウーラオスの鉢巻水テラス水流連打を75.8%で耐え、
意地A252パオジアンの鉢巻悪テラス噛み砕くを14/16で耐え、
意地A252カイリューのA+1スケイルショット5発を確定耐え、
意地A252カイリューのスケイルショット5発+神速を確定耐え、
意地A252パオジアンの氷柱落とし+不意打ちを確定耐え
HD:控えめC252ハバタクカミの眼鏡パワージェムを確定耐え、
控えめC196ガチグマ赫月のブラッドムーン+真空波を82.8%で耐え
S:最速73族/準速85族抜き
安定感の鬼。
胞子・宿木・鬼火の一貫を切ったり、妖の一貫を切ったり、ガチグマ赫月と合わせて広い範囲の崩しができたりする万能ポケモン。
耐久に厚く努力値を振ることでテラスを切らなくても大体の攻撃を何でも1発は耐えてくれるため、悩んだときとりあえず初手に投げておけば即負けしないのが強かった。
一方で、火力と素早さを大きく削ったことでミラーに弱く、火力が足りないことも時々あったので、一長一短だった。
⑥ブリジュラス
性格:おくびょう 特性:じきゅうりょく 持ち物:パワフルハーブ
テラスタイプ:でんき
実数値(努力値):165 -*(-) -150 -177(252) -86(4) -150(252+)
技構成:ラスターカノン りゅうせいぐん エレクトロビーム ほえる
C:生意気H4D252チョッキママンボウをC+1電テラスエレクトロビームで確定1発、
腕白H236D20ヘイラッシャをC+1電テラスエレクトロビームで確定1発
S:最速85族/準速98族と同速
型の匿名性の神。
鉢巻パオジアンや眼鏡テツノツツミが同居するママンボウ構築にも通用する受けループ対策枠を考えていたところ、orionさんが投稿されていた約10時間半ある受けループの対戦動画内でとある対戦相手がしていた立ち回りに可能性を感じたので、それを参考にした。
具体的には、"ヘイラッシャの地割れにブリジュラスを後投げし、気合で地割れを1回避けることでブリジュラスの特性が持久力であることを悟らせ、地割れ連打で処理しようとしてきたところを逆にテラスエレクトロビームで処理し、残数有利でTOD勝ちする"という立ち回りであり、これで受けループには7割で勝てると考えたため、採用した。
また、電気テラスエレクトロビームでチョッキママンボウをワンパンできたり、他の受けピンポイントメタポケモンと異なり選出画面で悪目立ちしなかったりと、受け対策枠としてはかなり理想的なポケモンだったと思う。
一方で、この型はパワフルハーブ型としても持久力型としても中途半端な性能をしているので、受け構築以外に選出したい場合は判断が少し難しいポケモンだった。
技構成については、元々はラスカ流星群エレビステロで使っていたが、実際に使っていてステロを撒く暇はなさそうだと感じたので、代わりに積みバトンやまもみがグライオンに刺さりそうな吠えるを採用した。
ボディプレスがあると受けループ対策がより確実になるが、技構成が全てバレていない限りハピナスはボディプを警戒して引いてくれることと、相手のグライオンを交代させられる吠えるが対受けループにおいて想像以上に優秀だったことから、この構築においては必ずしも採用する必要はないと感じた。
構築の要点
★パワーの高いポケモンで固める
中途半端なパワーの構築(etc. タイプ受け有限サイクル)は、カイリューで詰ませるかオーガガチウーラのいずれかで押し切ることで勝つことができた。
また、レギュFスタンのようなこちらと同様の並びに対しても、先に相手のテラスを誘発したり、変化技で相手の行動を阻害したりすることで、比較的有利に立ち回ることができた。
★巻き返しの要素を多く仕込む
電磁波・アンコールなどの変化技やタイプ受けを活かした後投げによって、多少不利な状況になっても十分巻き返すことができた。
選出
●対スタン
++or、++など
初手で残数有利を取ってから裏で詰める。相手の構築にブリジュラスが居る場合は、初手カイリューや後発オーガポンが多かった。
後述の通りミラーはかなり割り切っている要素が多く、特にシーズン後半では嚙み合いゲーになりがちだったのが反省点だった。
●対有限サイクル(ランドアシレブリジュラスなど)
++など
基本的に誰もカイリューを突破できないので、カイリューで全員詰ませるかカイリューで荒らして裏を通す。可能な限りカイリューは場に居座らせることを意識する。
●有象無象の受けサイクルを崩すのに便利な並び
など
赤オーガポン・ガチグマ赫月・連撃ウーラオスのうち通っているポケモンで破壊するか2匹以上を組み合わせて破壊する。エレビや毒無効が刺さる場合はブリジュラス+αで破壊する。
●対受けループ
++
一撃技を持ちうるポケモンを採用していない+ブリジュラスが居るので、相手の選出はほぼグライハピラッシャで固定される。「初手でウーラグライ対面を作りグライオンをヘイラッシャに引かせる→ヘイラッシャにブリジュラスを後投げ(地割れに当たったら負け)→電テラスエレクトロビームでヘイラッシャを倒す→カイリューを絡めて残数有利でTOD」の流れで大体勝てる想定だった。
シーズン中受けループとは2回対戦したが、初手グライオンが竜テラスしてきたりエレクトロビームにグライオンを後投げされたりと2戦とも想定通りの流れで試合は運ばなかった。しかし、吠えるでグライオンを引かせる+持久力ブリジュラスの前でハピナスが居座れないことから、グライオンまたはヘイラッシャを倒して残数有利でTODすることで2戦とも勝つことができた。
重いポケモンや並び
- カイリューに対する、挑発ブエナハバタクカミ
相手の初手ハバタクカミの動きをアンコールまたは電磁波で阻害できない場合、カイリュー+αがいろいろされるため不利。
- ハバタクカミミラーにおける、電テラ瞑想ハバタクカミ
瞑想ハバタクカミに電磁波を入れられないと、カミウーラがそのまま貫かれて負ける。
意地A252連撃ウーラオスのA+4水テラス水流連打で、75%でこちらのウーラオスがオボンごと貫かれる。
- 弱点保険(鋼テラス)カイリュー
岩封や渦でうっかり弱点保険を起動させてしまったとき、切り替えす手段がないと大変なことになる。
- 運最強パオジアン
残数有利取られて負ける。
- ラティ兄妹
電磁波を入れるか鋼テラスを切らせないとキツい。
結果
TN ブルーレット 最高195x 最終爆死
感想・反省点
シーズン中盤までは勝ちを確信していましたが、シーズン終盤では安定して勝ち切ることができませんでした。
勝てなかった原因はスタンのミラーで噛み合い要素を排除しきれなかったことと下振れ要素を拒否できなかったことにあると考えています。
前者に関しては、ブエナカミのミラーおよび選出順番での噛み合いを排除しきれなかったため安定して戦えなかったことが挙げられます。
スタンのミラーではやはり先に有効な残数有利を取った側(=速いor先制技を持つポケモンで数的有利を取った側)が圧倒的有利ですが、この構築は打開寄りの構築なので、どうしても相手のあらゆる選出に対応しきれていなかったと感じました。
また、スタンミラーで頻繁に発生するブエナカミのミラーにおいて、相手のあらゆるカミに対して一貫する強い行動がこちらのカミに無かったのも非常に辛かったです。
後者に関しては、被弾回数を抑えられるポケモン(≒相手を上から殴れるポケモン)が少なく、相手の確率引っ掛けをモロに食らってしまったことが挙げられます。
こちらも電磁波を撒きまくって数多くの運ゲを押し付けてきましたが、構築に速いポケモンが少ないせいで、パオジアンの氷柱落とし・テツノカイナの冷凍パンチ・オオニューラのフェイタルクローなどの試行回数を稼がせてしまった結果、最終的に体感ですが運勝ちした数≦運負けした数になってしまいました。
特に、相手のパオジアンの氷柱落とし怯みを拒否する手段がほぼなく、スタンミラーの初手オーガパオ対面でオーガポンが怯まされてしまうとそのままダメージレースの有利か残数有利を押し付けられて負けてしまう展開が多かったです。
それを拒否するためにこちらもパオジアンやスカーフ連撃ウーラオスを採用するか悩んでいましたが、それぞれ自分で使うとなると氷柱怯みが上振れなかったときのディスアドが大きかったり羽カイリューに勝てる未来が見えなかったりで、時間内に構築をまとめることができませんでした。
来月は満足にランクマができるか分かりませんが、とりあえず構築記事を読んで勉強したいと思います。
それではここまで閲覧ありがとうございました。